第9章ツール活用

Photoshopを自分専用の制作環境にする

頻出する定型操作を一か所から呼び出せ、判断が必要な作業は自動化しないPhotoshop作業環境

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最初に読む要点

Photoshopを自分専用の制作環境にする

Photoshopの速度を上げるには、メニューを探す、同じ順番を繰り返す、離れたパネルへ移動するといった中断を減らします。スマートオブジェクト化、文字分割、中央整列など結果が決まる操作はボタン化し、見出しサイズや人物採用など内容で答えが変わる判断は手元に残します。導入した機能は複製ファイルで副作用まで確認します。

自動化の境界

答えが毎回同じ操作だけを短縮する

講義では、右クリックからスマートオブジェクト化する、ぼかす、ラスタライズする、文字を行や一文字へ分ける、中央へ整列するといった定型操作を一か所へ集めています。目的はショートカットを多く覚えることではなく、制作中にメニューを探す中断を減らすことです。

主見出しの大きさ、人物の採用、余白を残すかといった判断は、内容と構図で答えが変わります。ボタンにする対象は、同じ入力なら同じ結果になり、誤実行しても戻せる操作です。

構築手順

自分の作業に合わせてPhotoshopを組み替える

  1. 01

    中断を記録する

    一回の制作で、メニューを探した操作、繰り返した操作、間違えた操作をその場で短くメモする。

    確認自動化候補が、実際の制作中に起きた操作として残っている。
  2. 02

    定型処理と判断を分ける

    結果が決まる処理は候補にし、見た目を選ぶ判断は候補から外す。

    確認ボタンを押す前に、期待する結果を一文で言える。
  3. 03

    呼び出し方法を選ぶ

    連続処理はアクション、頻出ツールはカスタムパネル、文字やレイヤーの定型処理は対応プラグイン、手元で呼ぶ操作はマウスや左手デバイスへ割り当てる。

    確認同じ機能を複数の場所へ重複登録せず、どこから呼ぶか決まっている。
  4. 04

    手と視線の近くへ配置する

    スマートオブジェクト化、ぼかし、ラスタライズ、図形、回転など、自分が頻繁に使うものだけを近い場所へまとめる。

    確認制作中に標準ツールバーやメニューを探す回数が減る。
  5. 05

    複製ファイルで副作用を試す

    文字分割、座布団、非表示レイヤー削除、ロック解除などをテスト用データで実行し、レイヤー構造と文字位置を確認する。

    確認元データを壊さず、実行後の変更範囲を説明できる。
  6. 06

    使わないボタンを外す

    実制作で呼ばない機能や、結果を毎回直す機能をパネルから外す。

    確認頻出操作が迷わず見つかり、パネル自体が探索場所になっていない。
手段の選択

操作に合う呼び出し方法を選ぶ

Photoshopアクション

向いている場面
同じ順番で繰り返す書き出し、変換、フィルターなど
避ける場面
途中で見た目を判断し、毎回別の値を選ぶ必要がある
確認すること
同じテストデータで同じレイヤー結果になるか

カスタムボタンパネル

向いている場面
スマートオブジェクト化、ぼかし、ラスタライズ、投げ縄、図形、回転など頻出操作をまとめる
避ける場面
ボタンを増やしすぎて、目的の機能を再び探す状態になる
確認すること
制作中に迷わず押せ、標準メニューへ戻る回数が減るか

文字・レイヤー処理プラグイン

向いている場面
行分割、一文字分割、再結合、指定位置での分割、座布団、ガイド、レイヤー整理
避ける場面
文字の大きさや位置を内容に合わせて判断する部分まで任せたい
確認すること
分割後の位置、ベースライン、レイヤー名、削除範囲が意図どおりか

マウス・左手デバイス

向いている場面
すでに決めたアクションやツールを手元から呼ぶ
避ける場面
割り当て名を覚えられず、誤操作が増える
確認すること
画面上の操作を探さず、同じ機能を正しく呼べるか
講義例

助詞の縮小は自動化しても、ベースラインは確認する

サムネイルの文字組みで、選択した助詞だけを小さくする定型処理を使う。

入力
縮小したい助詞を選択し、倍率変更の処理を実行する。
出力
選択文字の大きさは変わるが、講義で使った機能ではベースラインは自動調整されないため、位置を手で確認する。
採用理由
自動化がどこまで処理し、どこから人が確認するかを明確にできるため。
良い例

助詞が主語より弱くなり、上下位置も本文と揃っている。

弱い例

文字サイズだけ小さくなり、助詞が上下にずれて見える。

導入時の注意

便利な処理ほど、出所と削除範囲を確認する

「アートボードスクショ」が自分の環境に見つからない

原因講義中も、Photoshop標準か導入済みプラグイン由来か確定できていない

直し方アクション一覧と導入済みプラグインを確認し、標準機能と断定せず代替の書き出し手順を用意する

非表示レイヤー整理を実行し、後で必要な素材まで消える

原因削除対象を確認せず、本番データへ直接実行している

直し方複製ファイルで対象を確認し、元データを保存してから使う

ボタンは増えたが、制作中にどれを押すか迷う

原因頻度ではなく、使える機能をすべて登録している

直し方実制作で使った機能だけを残し、使わないボタンを外す

作業画面

切り抜き作業と文字処理の配置を確認する

自分の手順で最も往復が多い場所を見つけ、頻出操作を近づけます。

制作画面と切り抜き人物素材
頻出処理をボタン化し、素材を置いてから仕上げへ入るまでの摩擦を減らす。
Photoshopの文字とツール操作画面
文字の行分割・結合・座布団・整列などを、制作専用ツールで短縮する。
実践

制作中断から自分用パネルを設計する

やること

一回の制作で、探した操作、繰り返した操作、誤操作を記録します。その中から結果が毎回同じ処理だけを選び、呼び出し方法と配置を決めてテストしてください。

残すもの

中断記録、自動化する操作としない判断の一覧、テスト後のパネルまたは割り当て図

自己確認

  • 各候補が実制作で起きた中断に対応している
  • 自動化後の結果を実行前に説明できる
  • 本番データの複製でレイヤーと文字位置を確認している
  • 見た目で選ぶ作業は自動化対象から外れている
  • 使わない機能をパネルへ残していない
完了チェック

次へ進める状態か確認する

操作したかではなく、結果が基準を満たしているかを確認します。